話題
■会場を彩った BGM作曲家:浦尾画三(Kakuzo URAO)氏
古来、民族楽器の伝承と往来が盛んに行われていた、中国、韓国、日本に於いて、この3国に関わる楽音としての共通点は中国から伝え聞く八音(はちいん)の考え方を原型とした楽器群であろう。簡略に述べれば八種から成る自然界の要素で作られた音、楽器である。当然日本の雅楽に使われている楽器群はみなそれである。例えば、笙、ひちりき、琵琶、琴、鼓、仏鐘など。 特に日本は聖徳太子の頃、中国、韓国からの楽士伝来により、日本に於ける雅楽の素地をこの2国から戴き、固有の楽へと進化させ、移入した側である。
太子の時代、遠くインド音楽も既にシルクロードを通し伝来しており、琵琶が流れ持つウード、サントゥールなどの発弦系楽器群も持ち込まれていた筈である。
たしかにこの3国には八音を通し、多少、形態や弦の数が違う琴、竹を素材とした笙、横笛など共通類似した響きから成る楽音を見出すも、民族の持つ生活習慣、土地がもつ固有な時の流れ、それに伴い意識化されて行く日常性、風俗など、その中から発生する独特な音楽的律動(=リズム)と限られた数の音階(=モード)は別物である。形態は類似しているが弦の数も違う日本の琴と韓国の琴である伽 琴(カヤグム)が奏する音楽的差異は、間合い、情緒性も含め歴然としている。
だが2000年を越えた現代、この3国に共通する八音は、現代の若いミュージシャン達が積極的に育むメディアを通し、再び融合と異種文化が豊かに混じり合う新しいアジアの音楽として現出し始めている。
これは古(いにしえ)の中国、韓国、日本の3国往来が進化し合う歴史的流れの結実であり、証しでもある。
◆ 浦尾画三 プロフィール 丸井『こんな人の丸井です』、キッコーマン『季節のメヌエット』などCM作曲・編曲多数。いわさきちひろ絵本美術館をはじめ、多くの美術館や博物館のサウンドデザインと環境音楽、長野五輪民放共通オープニングタイトル曲、NHK『ヨーロッパ冬物語』『百人一首への旅』のタイトルバック音楽担当。『古都鎌倉』(ビデオ8巻シリーズ、発売元:日本通信教育連盟(ユーキャン))や『悠久の中国大紀行』(DVD30巻シリーズ発売元:東芝EMI(??)の音楽担当。CD鎮魂雅哥。CD精霊たちの休息(Spirits)。
2005.5.12 |
日本大学名誉博士として来日されたミハイル・ゴルバチョフ氏に、本会議開催を準備スタッフの一人がお伝えしたところ「勇気ある開催です。女性に期待しています」との励ましのメッセージをいただく。 |
■シンボルマークが決定
●田中惣二氏コメント
「長い間、日米欧のデザインネットワークに関わってきました。その間、企業やオリンピックなどのデザインビジネスをする事で世界の人々の協調と平和の必要性を強く意識するようになりました。かつての活動は欧米中心でしたが、この十数年は昔お世話になったアメリカの人々が私にしてくれたように、中国や韓国の留学生の保証人をしたり、また中国のデザイン業界の指導や学生コンテストの審査員を務めています。その間、経済発展も進み、昨年はIAAの世界大会が北京で開催され、またソウルと東京での韓国経済人との交流にも参加してこられました。互いの関係も最高潮に達したかのように思えたものでしたが、突然の状況に暗くなっている昨今です。
ぜひとも女性の皆さんの協調と力によって、真の平和な経済発展を築きあげてほしく、心をこめてデザインしました。」
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