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Women's Global Economy Conference 日中韓女性経済会議
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第1分科会

■大連国立百川集団有限公司 董事長 孫 涵氏 SUN HAN

日中韓の間には文化的、経済的な違いなど、多くの問題を抱えているが3国の協力がいかに大切か、協調や理解、包容力が必要となってきています。現在、世界中で発生している戦争、暴力、恐怖、テロ、そして貧富の差、金持ちに対する恨み、といった問題は、世界中の問題となっています。こういう問題のすべての根源は、交流が少ないこと、つまり一つの家庭の中のようになっていないことです。地球は既に一つの村です。時空、距離がもうすべて縮んでいる。世界で何か発生すれば、瞬時に知ることができるのです。 社会あるいは経済の協調、中日韓3国の協調、女性の協力・協調、もっと広い立場で世界的な協調をするのであれば、今日の会議は非常に有意義で、今後も必要だと思います。今後さらに3国間の会議を開催し、政府はそれをサポートし、皆さん一緒に交流し、企業の間でどんな問題が中日韓3国や世界各国の発展を妨げているのか、そして、なぜテロや問題が発生するかを語る必要があります。

私は長年の日系企業との交流の中で、多くの物事を学びました。例えば、今日、全日空の若田さんから6S管理のお話しを聞きましたが、私の会社は、現在8S管理をしており、最初の5Sは日本企業から学んでいます

グループ全体400人の社員全員が、すべて徹底して日本の管理経験を学んでいます。そして、それが非常に有効であると実証されています。日本企業の5S管理は、仕事に対する厳密な正確な姿勢、誠実さ、そして決算でも、1日も遅れず必ず正確に実行する。これは我々の会社が日本企業と交流したい根本であり、我々の多くは日本企業と交流したいと考えている点であります。  

ところが、幾つかの問題ある。例えば、私の同業者に日本連合包装という会社がある。この会社は約70%の資本が日系の企業である。大連で紙製品を扱う企業は100社以上あり、市場は非常に大きい。しかしこの競争で、私には発注してもらえないということを経験しました。日本企業は、日系企業のほうが価格面で高くても、日系企業のものを使うのです。私は努力をしましたがどうしても突破できない。日系人はどうしても日系の企業の商品を高くても買うのです。なぜ、同じスタートラインに立って、公正に、公平に競争させてくれないのか。その市場に参入できないのか。価格が悪いか品質が悪い、サービスが悪いのであれば、私は降りることに何の異義もない。しかし、我々はすべてで同様なのに、私にチャンスは与えられない。考えても解が得られずにいたが、今朝、河合文化庁長官の日本の家庭という概念、家族間のお話を聞いて、日本企業は皆さん連帯関係があって、血縁関係があってつながりを持っている。だから、発注は中国企業にはあげないということがわかりました。
もし日本が国際貿易の交流で、こういうクローズした態度を取るのであれば、これは非常にいろんな矛盾をもたらすという気がします。

私は現在の中日韓3国、あるいは国際貿易であろうと、このグローバル経済であろうと、協調していないと思います。我々の今日の会議は、はっきりと「調和の取れた、そして活力のある経済社会を」創るために、「中日韓の経済会議」というタイトルをうたっている。この会議を通して呼びかけてはどうか。中日韓の調和が取れ、協調して、一部の矛盾を解決していく、問題を解決していく。各国がそれぞれ努力して会議で呼び掛けをする。また先進国が多くの面で少し譲歩する。そして多くの女性に公平な、一つのプラットホームを提供していただけないか。我々が同じ競争の場に乗れる場を提供していただけないかというのが、私の二つ目のお話であります。
中国は今、非常に環境保護を重視しています。私の会社では工場を作るときに、まず環境保護の問題をクリアにする。例えば、包装関係は圧力釜が必要だが、排気や印刷によって出るごみなどの処理は厳しくしています。中国で今、工場を作ろうとすると、まず環境保護局に申請をして認可が下りないと作れなくなっている。中国でまだ汚染が存在し、環境保護が十分に行われていないとすれば、多くは古い設備が原因である。また原因が複雑な人間関係ということもある。一日二日で解決できる問題ではありません。  

もう一つ、先進国では自分の国でおこなうプロジェクトは環境保護をして、空気をきれいにしている。しかし一方で、基準に満たない、汚染の可能性のあるプロジェクトを第三世界、発展途上国に持ってくるという不公平があります。また、中国の多くの加工業は、第一次産業の原材料を作っているが、その多くが先進国の注文によるもの。国際的な法律に不公平なものが存在している。先進国は製品を作ろうとして、その原材料をつくる過程で汚染が生じたら、そのプロジェクトを発展途上国に持ってくる。どうしてか。発展途上国の人権は重要じゃないということなのか。汚染部分だけを、遅れた国に持ってきて加工するのであれば、何か保障が必要だが、保障なしに貧しい国に汚染を持ってくるというのは不公平だと思うのです。

女性の経済交流については、この3国の女性は、皆アジア人という共通項があります。さらには同じ族から出た同一族であると言える。どう変化しても血脈がつながっている。アジアの女性は、非常に感情が繊細で切直でまじめです。何事をしても成功するまでは絶対あきらめない。中国の経済は日本、韓国と比べると遅れていますが、中国の女性は、この3国の中でも一番進んだところにいると思う。中国の女性は、現在非常に大きい権力をもっています。何かをしたければすぐにでき、成功率が非常に高い。私はこの中日韓3国の女性が交流貿易をするとき、日本女性がまだ中国女性のようにいろんな分野に入っていないのであれば、日本の男性が考え、見方を変える必要があります。私はアジアの男性は非常に虚栄心が強いと思う。命はなくてもいいが、メンツを失いたくない。キリスト教か仏教、儒教の差異は、ヨーロッパの男性は、真実には非常に誠実で、何でもオープンだがアジアの男性はなかなか懺悔しないということにつながると思っています。

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■奥村裕一氏

孫 涵さんから中国進出をした日系企業から孫さんにお金が払われなかったお話がありましたが、日本の中小企業が倒産して中国にお金が入ってこなかったことについて私流に言うと、個人の問題ではなく社会制度がリスク、企業信用をどうやってカバーするのか、中小企業の信用保険みたいなものを考えるとか、いろいろ対策はあるかと思います。 どんなビジネスにも必ずリスクはあり、政府としても考えていく必要があるし、被害者全体で考えていくという必要もあると思う。  
河合先生の「神と人間」というテーマから言うと、人間というのは、間違いもする。もちろんいいこともする。そういうのが人間だと割り切って、制度をどうつくるか。アジアというのは、アメリカの制度あるいはヨーロッパの制度と比べると、やや弱く、欧米は人間は悪いことをする、神が完全で人間は不完全だという前提で制度をつくっています。日本は、一生懸命、不完全な人間を前提にした制度を近代社会の中で取り入れてきた。
もう一度我々も、人間にはいいも悪いもあるという前提で、制度的、社会的にサポートするか、よくできるかを考えるべきだと思います。

二つ目は要するに、日本人は自分の家をつくって、なかなか自分たちを入れてくれないというお話でした。これは、若い人は大分変わってきていると思う。年齢によって違うのではないか。結局、信頼、トラストをどういう範囲で持つかという話。私は今、中国の若い人と組んで、日本にいる留学生を助け、金もうけとしても仕事をしようと思っている。多分変わっていくと思います。
環境保護については、中国政府も最近ルールを作っていますが、現場に行くと甘い。もっと厳しく取り締まればいい。なぜ中国は緩いかというと、そのほうが中国人が取りあえず儲かると思っている。これは人間の本性です。決して先進国の企業だけが悪いわけではない。日本も、昭和40年代、30年代、環境規制をきつくして大変だった。そういう歴史がある。そういう中で、やっぱり中国は中国なりの厳しいルールを作って、それをちゃんと守ることをおおいにやって、外国企業も同じようにルールを守らせたらいいと思う。それはもう大賛成。一言補足すると、現実問題として、政府の個別企業への介入がまだ中国は相当多いです。これを減らしていかないと、本当のマーケットメカニズムの国にならない。そこを言いたい。極端な話、国営企業の人事まで介入していますが、これはいびつです。これをやっていると世界からだんだん非難が強くなります。経済問題でも。

女性の経済交流については、日本では中国の男性よりも女性のほうがイキイキしているというのが私の率直な印象です。中国の女性も、日本で働いている方はたくましい。それと誠実です。大体悪いことをするのは男で、女性はあんまり悪いことをしない。そういう良さがある。この良さで日中韓の男性どもに向かって頑張れという突き上げをするのも、この会議の目的にしていただきたい。

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